頑張っても、自信が持てない理由

「私がしっかりしなきゃ。」 

「これくらいで音を上げていられない。」 

「できない自分は、見せられない。」

セッションをしていると、そんな言葉を耳にすることがあります。 

仕事のことだったり、人間関係だったり、家族のことだったり。 

抱えている悩みは一人ひとり違います。 

それでも、その奥には、同じような心の動きがあることがあります。

「できる自分」で、自分を支えようとする心

頑張ることは、決して悪いことではありません。 

誰かの役に立ちたい、責任を果たしたい。

そんな思いは、とても大切なものです。

でも、もし心のどこかで、 

「できる自分には価値がある。」 

「できない自分には価値がない。」 

そんな判定が生まれていたとしたら、どうでしょう。

「ちゃんとできた日」は安心できます。 

けれど、その安心は長く続きません。 

また次の日には、「今日もちゃんとできる自分」でいなければならないからです。 

だから、どれだけ頑張っても、自信が育たないことがあります。

本当に苦しかったのは

私は最近、あることを考えるようになりました。 

本当に苦しかったのは、頑張ることではなく、頑張れない自分を認められなかったことなのかもしれません。

疲れていても、思うようにできなくても、失敗してしまっても。

そんな自分を、そのまま受け止めることが難しいのです。 

だから、また頑張る。

そしてまた、自分の価値を証明しようとする。 

そんな繰り返しの中で、心は少しずつ疲れていってしまう。

この判定は、どこから生まれるのでしょう

こうした「できる・できない」の判定は、性格ではありません。 

多くの場合、それまで生きてきた時間の中で、少しずつ身につけてきたものです。

小さい頃に「しっかりしなければ」と思った経験、誰かを心配させないように頑張ってきた時間、失敗しないように自分を励まし続けてきた日々。

その一つひとつが積み重なって、「頑張ることで、自分を保つ」という生き方になってきた。 

だから、その判定に気づかないまま大人になる人も少なくありません。

本当に満たしたかったもの

私たちは、「できる自分」を求めているように見えて、本当に求めているのは別のものなのかもしれません。

何かができても、できなくても。

思うように進める日も、立ち止まる日も。

それでも、ここにいていい。

そう思える安心感。

その安心感が少しずつ育っていくと、「できる・できない」で自分を測るものさしも、少しずつ力を失っていきます。

おわりに

「頑張っているのに、自信が持てない。」 

そんなときは、「もっと頑張らなきゃ」と自分を励ます前に、一度だけ立ち止まってみてください。

今、自分を苦しめているのは、頑張りが足りないことではありません。 

「できない自分ではいけない。」 という、心の中の判定です。

その判定に気づくことは、自分を甘やかすことではありません。 

これまで一生懸命に自分を支えてきた心のしくみを、静かに理解していくことです。

そして、その理解は、「頑張り続けるしかなかった自分」を責めるのではなく、労わることにつながっていきます。 

一人では見えにくい心のしくみも、誰かと一緒に言葉にしていくことで、少しずつ輪郭が見えてくることがあります。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。 

「できる自分でいなきゃ」というクセは、責任感の強さゆえに、いつのまにか自分を守る鎧になっていることがあります。 

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