夢の余韻が残る朝に
秋が深まり、夜が長くなってきました。

眠る時間はいつもと同じなのに、朝、目が覚めても、夢の余韻が体に残っていることがあります。
何かに追いかけられていた。
大事な場所に、どうしてもたどり着けなかった。
準備ができていないまま、人前に立たされていた。
しばらく会っていない人が出てきて、目が覚めてから急に寂しくなった。
起きてしまえば、ただの夢だとわかっている。
それでも胸のあたりがざわざわして、朝の支度をしながら、なんとなく気持ちが晴れない。
何か悪いことの前触れではないかと、気になってしまうこともあるでしょう。
そんな夢について、受講しているカウンセリングの講座で、9月に夢について学ぶ機会がありました。
夢は、心の奥を知る手がかりになる
講座で学んだのは、私たちの心は、自分で意識できていることだけで成り立っているわけではないということです。
頭ではこうしたいと思っているのに、なぜか違う行動をしてしまう。
気にしていないつもりだったのに、思いがけない場面で心が揺れる。
自分では気づいていない気持ちや、自分でもうまく説明できない心の動きがあります。
夢を扱うことは、そうした自分では見えにくい心の動きを知る手がかりの一つになるそうです。
その中で、私の心に残った話がありました。
夢は、意味がわからなくても、見ること自体が心の働きの一部になっている。
講座では、夢には、普段は意識していない気持ちが表れたり、心の中で整理しきれていないことが別の形で現れたりすることがあると学びました。
怖い夢や嫌な夢も、必ずしも悪いことの前触れではありません。
夢の内容をすぐに理解できなくても、そこに何かの意味があるのかもしれないと、急いで答えを出さずに考えてみる。
そんな向き合い方があることを知りました。
夢は、お告げではない
もう一つ、大切だと感じたことがあります。
それは、夢の意味を、誰かが一方的に決めるものではないということです。
たとえば、追いかけられる夢を見たからといって、それが必ず何かから逃げたい気持ちを表しているとは限りません。
同じ夢でも、その人が置かれている状況や、夢に出てきたものから何を連想するかによって、受け止め方は変わります。
だから、夢の意味を決めつけず、本人がどう感じ、何を思い浮かべるのかを大切にすること。
怖い夢を見た朝に、「何か悪いことが起きるのでは」と不安になることがあります。
けれど、夢を未来のお告げのように受け取る必要はありません。
意味がわからないままでもいい。
すぐに答えが出なくてもいい。
夢をきっかけに、自分の心に目を向けてみる。

そんな関わり方もあるのだと思います。
夢をきっかけに、気づいた寂しさ
この話を聞いて、私自身の体験を思い出しました。
去年の秋、息子が仕事で遠く離れた県外へ行きました。
はじめは寂しさがありました。
近くにいた時間を、もっと大切にすればよかった。
そんな思いも、いろいろと湧いてきました。

それでも、日々の暮らしは続いていきます。
しばらくすると、いつもどおりの生活を送れるようになっていました。
それから一年近くたったある日、息子が夢に出てきました。
楽しそうに笑っている姿を見て、目が覚めたとき、胸の奥から寂しさがこみ上げてきたのです。
普段の暮らしの中では、その寂しさについて、あまり考えずに過ごしていたのだと思います。
けれど、寂しさがなくなったわけではなかった。
夢を見たことで、私はあらためて、寂しさだけでなく、息子に対して自分が抱いているさまざまな思いにも気づきました。
もちろん、その夢が何を表していたのか、はっきりとした答えがあるわけではありません。
ただ、普段は意識していなかった気持ちが、夢をきっかけに自分の中にあることを感じられた。
その体験が、私の心に残っています。
気持ちが揺れた朝に
夢の意味を探さなくてもかまいません。
怖い夢を見たからといって、何か悪いことが起きると考えなくてもいい。
目が覚めたあとも気持ちが晴れなかったら、昨日の自分は何か気がかりなことを抱えていたのかな、と振り返ってみる。
それでも、何も思い当たらないこともあるでしょう。
そんなときは、無理に理由を見つけなくてもいいのです。
講座で学んだことを通して、私があらためて感じたのは、心には、自分でわかっていることばかりではない、ということ。
すぐに説明できない気持ちもあれば、あとになって気づく思いもあります。
わからないままの自分を、急いで納得させなくてもいい。
夢の余韻が残る朝も、心の中には、まだ言葉になっていない何かがあるのかもしれません。

おわりに
夢を見た朝、気持ちが揺れることがあります。
その理由がわからなくても、夢の意味が見つからなくてもいい。
すぐに答えを出そうとせず、今の自分が何を感じているのか、わからないままの気持ちも含めて、大切にしていけたらと思います。
眠っているあいだに見た夢が、普段は気づいていなかった自分の気持ちに出会う小さなきっかけになることもある。
そして、気づいた気持ちを、すぐにどうにかしなくてもいいのです。
怖い夢が続き、眠ること自体がつらくなっているときは、一人で抱えず、身近な人や相談できる専門家に話してみてください。
日々の中で言葉にできない気持ちを整理したいときは、個別相談でもお話を伺っています。
まとまらない気持ちのままでも、一緒に整理していく時間を大切にしています🌿


