心には、心の時計がある
九月に入りました。
学校では新学期が始まり、仕事でも下半期を迎える時期です。
カレンダーが九月を指すと、気持ちも新しく切り替えて、また動き出さなければと思う方もいるでしょう。
けれど、心や体は、カレンダーのように日付が変われば切り替わるものではありません。
この夏、「こころ日和」を通して季節や心について綴りながら、私は何度もそのことを感じていました。
私たちの中には、外の時間とは別に、自分自身の時間が流れている。

そんなふうに思うのです。
「まだ大丈夫」と言っている間に
忙しい毎日を過ごしていると、体から届く小さなサインを見過ごしてしまうことがあります。
肩が重い。
いつもより眠りが浅い。
朝から体が動きにくい。
何をするにも、少し力がいる。
それでも、「まだ大丈夫」「これくらいならできる」と、予定を優先してしまう。
体が休みたいと知らせていても、こちらの都合で待ってもらうことはできません。
気づかないまま過ごしていると、ある日、もっと強い形で立ち止まらざるを得なくなることもあります。
だから、元気に動けるかどうかだけではなく、今の体はどんな状態なのかに目を向けることも、自分を大切にすることなのだと思います。
心にも、時間がある
心も同じです。
楽しかった時間が終わる寂しさ。
何か大きな出来事があったあとに残る落ち着かなさ。
誰かの言葉が、何日経っても心に残っていること。
そうした気持ちは、八月が終わったから、九月になったからといって、すぐに消えるわけではありません。
それなのに、
「もう切り替えなきゃ」
「いつまでも引きずっていてはいけない」
と、自分の心を先へ進ませようとしてしまう。
けれど、気持ちには気持ちの時間があります。
外では季節が進んでいても、心の中では、まだその出来事を感じていることがある。
それは、時間の流れについていけていないということではありません。
自分の中で、まだ大切に扱う必要のあるものが残っている。

そんなこともあるのだと思います。
外の時計と、自分の時計
カレンダーは、誰に対しても同じように進みます。
八月が終われば九月になり、季節も次へ進んでいきます。
けれど、自分の中の時間は、一人ひとり違います。
体がまだ夏の疲れを残している人もいる。
心が、ある出来事の余韻の中にいる人もいる。
新しいことを始めたい気持ちはあるけれど、まだ動き出す力が戻っていない人もいる。
そんなとき、外の時計ばかりを見ていると、
「どうして私は、まだ切り替えられないんだろう」
と、自分を責めてしまうこともあります。
でも、必要なのは、外の時計に急いで追いつくことではないのかもしれません。
今、自分の時計はどこを指しているのか。
そこに気づくことから始まることがあります。
九月を迎えて
九月は、「さあ、ここから」と気持ちを切り替えたくなる季節です。
けれど、外の時間が進んだからといって、自分まで急いで進まなければならないわけではありません。
まだ疲れているなら、その疲れに気づく。
まだ心に残っているものがあるなら、それを急いで消そうとしない。
動き出せないなら、動けない自分を責める前に、今の自分がどんな状態なのかを見てあげる。
外の時計と自分の時計。
その二つが同じ速さで進まない日があってもいいのです。
自分の時間を知ることは、立ち止まったままでいることではありません。
自分を置いていかないために、今の場所を確かめること。

そんな時間も、これからを過ごしていくために大切なのだと思います。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
季節が変わると、気持ちまで切り替えなければいけないように感じることがありますね。
けれど、心と体には、それぞれの時間があります。
外の時計に合わせることばかりを考えず、ときどき自分の時計にも目を向けてみる。
そんなふうに、自分の心と体を置いていかない時間を過ごせたらと思います🌿
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