その行動は、心を守るためのものだった
疲れがたまった日、人からの誘いを断る。
LINEが届いても、既読のまま返事を先延ばしにしてしまう。
誰かと話していても、愛想笑いでやり過ごす。

そんな自分を、
「感じが悪いな」
「冷たくなったのかな」
と、責めてしまうこともあります。
人と関わりたくないわけではありません。
それなのに、誰とも話したくない日があると、
「どうして私はこうなんだろう」
「前はこんなふうじゃなかったのに」
——そんなふうに、理由を探したり、自分を責めたりしてしまうことも。

でも、目に見えている行動だけでは、そのときの心の中までは分かりません。
心には、つらさや不安が大きくなったとき、自分を守ろうとする働きがあります。
人と距離をとる。
感じないようにする。
忙しさの中に逃げ込む。
人によって形は違っても、「これ以上、しんどくならないように」という、心の自然な動きです。
だから、今まで自分がしてきたことを、すぐに「悪いこと」と決めなくてもいい。
それは、そのときの自分を守るために、心が選んでいたやり方だったのです。

心の守り方は、人によっていろいろな形をしています。
それについては、次回もう少し詳しくお話ししたいと思います。
ただ、どの守り方も、いつでも自分を助けてくれるとは限りません。
そのときは自分を守ってくれたものが、長く続くことで、いつの間にか苦しさにつながることもあります。
だからこそ、まずは行動だけを見て自分を責めるのではなく、
「私の心は、何から自分を守ろうとしていたのだろう」
と、少し見方を変えてみること。
心の守りは、自分を閉ざすためだけにあるものではありません。
安心して自分でいられる場所を、少しずつつくっていくためのものでもあるのです。
今回から4回にわたって、「心の守り」についてお話ししていきます。
どんな守り方があるのか。
その守り方が、時に自分を苦しくしてしまうのはなぜなのか。
そして、守りを少しずつ育てていくとは、どういうことなのか。
一つずつ、日常の中の心の動きから見ていきたいと思います。


