心は、いろいろな形で自分を守っている
前回、心を守ろうとすることは、弱さでも冷たさでもなく、自分を守るために自然に起きる働きだという話をしました。
今回は、その「守り方」には、いろいろな形があるという話です。

たとえば、疲れた日に人と会うのを避ける。
誘いを断ったり、返事を少し遅らせたりして、人との間に距離をつくる。
反対に、人との距離を近づけすぎないように、初対面の人には敬語を崩さず、丁寧な言葉づかいを保つ人もいます。
どれも、その人にとって安心できる距離を保つための方法の一つです。
人との距離だけではありません。
眼鏡やマスクを身につけること。
きちんと化粧をすること。
お気に入りのブランドのものを持つこと。

そうしたものを身につけることで、少し安心できたり、いつもの自分でいられたりすることもあります。
「これを身につけていると落ち着く」
そんな感覚に、覚えがある方もいると思います。
資格や肩書き、これまで積み重ねてきた実績も、心の支えになることがあります。
不安な場面で、「自分には、これがある」と思えることが、心を支えてくれる。
それも、一つの守り方です。
毎日同じ時間に起きる。
決まった手順で物事を進める。
いつもの場所で、いつものことをする。
そんな変わらないリズムが、安心につながっている人もいます。
忙しい日々の中で、自分なりの決まった形を持つことが、心を落ち着かせてくれることもあるのです。
そして、もう一つ大切なのが、境界線です。
「これは嫌だ」
「それはやめてほしい」

そう伝えることも、自分を守る方法の一つです。
人と距離をとること。
身につけるものを選ぶこと。
資格や肩書きを支えにすること。
決まったリズムを大切にすること。
嫌なことに「嫌」と伝えること。
並べてみると、心を守る方法は、本当にさまざまです。
人によって、安心できるものも、守り方も違います。
だから、
「どうして私は、人と距離をとってしまうんだろう」
「どうして、いつも同じやり方にこだわるんだろう」
と、自分の行動だけを見て責めるのではなく、
「これは私にとって、何を守っているんだろう」
と考えてみると、見えてくるものがあるかもしれません。

心の守り方には、その人なりの傾向があります。
自分では当たり前だと思っていたことの中にも、心が安心できるように、選んできたものが隠れていることがあります。
自分は、どんなときに心を守ろうとしているんだろう。
どんな守り方を選びやすいんだろう。
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